のと屋は能登で和菓子を考える・・・・の心

中能登町の不動滝登り口に和菓子屋を経営しています。
山々に囲まれ自然とともにお菓子つくりをしています。

春の和菓子「酔いどれイチゴ」・・・・を考える

 今日は・・・・めっちゃ雪、降ってましたが春をイメージした和菓子です。
「酔いどれイチゴ」です

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 以前、
「酒粕そぼろ」「さくら餡」と作っていましたが・・・・今回はその続きです。

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こちらは「さくら餡」です。桜の葉のミンチを使い、香浸けにジュペを少々・・・・

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 地酒である「ほまれ」で有名な「御祖酒造」さんからの酒粕を使った蒸しそぼろです。
酒粕は一度、熱を入れ砂糖とすり合わせ、「ほまれ」を入れて裏ごしした物を使います

そのまま酒粕をお菓子の材料に混ぜ込む事は、御菓子屋さんはしないと思いますが・・・・・あえて。

さて、どうするかと説明すると・・・・

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 「道明寺粉」を使います。

もちろん、食感も大事で「五ツ割」

 蒸した道明寺をシロップ浸けにして熱いうちに仕上げます。
見習い過ぎても修行先の「中尾清月堂」での勉強会に呼んで頂いてた時の作り方です。
名古屋の職人さんも、このような作り方をしてました・・・・

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事前に作った「さくら餡」の餡玉を手早く包み・・・・

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 「蒸しそぼろ」をまぶして成型します。
道明寺が熱いので蒸しそぼろから「酒粕」の良い香が仕事場を包みます。
「さすが「ほまれの御祖酒造」!」
・・・・こんなんでどうでしょう?

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 ピンクのラミシートと竹かごを使いハサミで切れ込みを入れイチゴをのせて出来上がりです
イチゴは「とよのか」です。市場直送ですよ

業者の方も「今年は寒かったおかげ?で、とよのかはまだまだ楽しめますよ~」だって

今日も・・・・

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・・・・よし・・・・何とか、さばけてる・・・・他は残っても・・・・とりあえず


中能登町の「さくら祭り」にも無事、出品出来たら良いかな~

それまでに
多少の改良しときます








一番難しい「煉り切り餡」を炊く・・・・を考える

 「煉り切り餡」を炊きましょう
上生菓子題名「都鳥」

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 「上生菓子」の殆どはこの餡ですね。
細工をする餡ですが僕は「餡炊き」の中で一番難しいと思ってます。

 こちらも「白餡の製餡」ですね。
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 ・・・・何か同じ画像に見えますが・・・・
「煉り切り餡」
は「絹手亡豆」と「雪手亡豆」を7:3で炊いています。
「絹手亡豆」は手亡豆の中でも一番、白く炊き上がりますね。
「絹手亡豆」が多いのはあっさりと風味を抑えつつ、白く炊くためです。

 え?「製餡所」の「白餡」は白いって?・・・・・何故でしょうね
「自家製餡」で「煉り切り餡」を白く炊くと言うのは中々、難しいです

 因みに「白あん」
を売りにするお店なら「雪手亡豆」と「白金時豆」の5:5が最高に美味いと思います。
この豆で「黄身餡」や「味噌餡」等、炊いても「白金時豆」の風味に負けてしまいますね。

さて、マニアックな話はここまで・・・・

 「煉り切り餡」
を炊く時に風味を抑えるのは何故かと言いますと・・・・
「つなぎ」
の「風味」を出すためですね・・・・・(個人的に)

「つなぎ」とは「煉り切り餡」でも大事な細工をしやすいように粘り気のあるものを加えます。

 「牛皮」
です。・・・・餅粉や白玉粉で砂糖が加わったお餅をくわえます。

 「牛皮餅」は細工や口どけのためです。でもこれに「擦り芋」
も加えます
これにより「薯蕷煉り切り餡」のような風味もだせます。・・・・さらに白く炊き上がります。

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「薯蕷煉り切り餡」
は「丸いも」や「大和芋」等皮を剥いて蒸して裏ごして砂糖を加えて炊いた物です。
 今のでも「薯蕷煉り切り餡」とも言えますが・・・・

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 白餡となじませながら「擦り芋」、「牛皮餅」を加えます。
白く焦げやすく、硬すぎても細工がしにくく、口どけも悪くなる・・・軟らかいと細工がしにくくなる・・・・
何とも炊き上げタイミングが季節に左右されるので、とても気を使います

もちろん乾燥を防ぐのに「水あめ類」も入りますが・・・・入れすぎると口どけが悪くなりますね。

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 で、裏ごし。ここで焦げ取りや口どけのサラサラ感を出します。

そして冷まして合わせる・・・・大変。

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食紅です。橙色はないので、紅色と黄色で作ります。

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餡玉と白色の煉り切り、橙色の煉り切り・・・・

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 色をぼかしながら(グラデーション?)包みます

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茶巾絞りですね。口ばしを作り、ゴマを目玉に、時期の花びらを付けて・・・・
 
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 出来上がり。
煉り切りはどこのお店でもありますね。各、お店の技術が40~45gの中に詰まってます。
色々な和菓子店に回って見るのも楽しみの一つですよ

ちなみに蓋を外した時の餡の香にも注目 ・・・・そこ大事

では皆さん、明日はお近くの和菓子屋さんに「季節の上生菓子」を買いに・・・・・

レッツらゴー







「ほまれ大納言」のつぶあん・・・・を考える


 「ほまれ大納言」・・・・一斗(15㌔)を炊きます。

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  今の時期だと一晩、水に浸けて炊くやり方です。渋きりは2回・・・・
しっかり炊き上がってます。

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  こちらは「白ザラメ」
をベースにシロップ状にしといた蜜です。ここは「氷砂糖」でも良いですね。

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 沸騰した蜜に炊きあがった「ほまれ大納言小豆」
を入れて蜜にそっと浸します。
蜜漬けにして45分・・・・・

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 木の蓋で蜜漬けです。
ステンレス製の蓋だと蓋の裏に水蒸気が溜るだけですが、木の蓋だと蒸気が中にまわり、
大納言の蜜漬けを補助して、しっかり蜜に漬かってくれます。

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「い~い、湯ぅだ~なぁ~・・・・ビバノンノン・・・」

自分が大納言なら歌ってます

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 ざる炊きしてナイロンでピッタリかぶせます。
蜜を煮詰めている時に大納言が冷めないようにするためです。

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 ドロドロに煮詰めて・・・・ざるで上げた大納言と軽く火を通した「カップリングシュガー」と「水あめ」を加えて

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 実は一斗(15㌔)は修行から帰ってきて15年間、大きい木べらで炊き続けています

 これは粒を潰さないように炊くためですね。
ゆっくりと焦がさず、感触を確かめつつ、味見したり、皮の炊き具合・・・・・

 お店の「よもぎ万頭」
の一日の店売りと「薯蕷まんじゅう」、「大福」等・・・・
一斗炊きしなければ追いつかないからです。

ただ、「能登大納言」
で炊く場合の「最中の餡」、「うぐいす餅の餡」、「きんつば」、「白玉金時」、「福梅の餡」は3升から5升で炊くようにしています。

正直、木べらで炊くのはしんどいです・・・・・時々、「何時まで出来るかなぁ・・・」と。

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上手く炊けました

 ガス火で炊く方は遠くに火を通すためだと思います。
僕は蒸気です。「銅鍋」なので火の回りは同じぐらいだと思います。

 「ほまれ大納言」
はまだ、そんなに出回っていません。
この大納言は「味」、「風味」と「とよみ大納言」の確実に上を行きます

もう少し経てば色々な御菓子屋さんで味わえると思います。

「ほまれ大納言」
・・・・覚えといてください
今現在、北海道で「一番、美味しい大納言」だと思います。


 因みに炊けた豆に上白糖やグラニュー糖を入れて直ぐに、炊くやり方は・・・・・・

・・・・高価な豆に「愛」
が感じられない


明日は3・11ですね。
ブログはお休みします。

早く日本が上を向きますように。








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